【簿記】総合商社は日本ならではのもの

皆さんこんにちは。簿記検定2級講義 商業簿記講師の福井です。

今回は、決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表の違いについて取り上げたいと思います。何を隠そう、私はこの論点でかなり躓きました。
もしかすると、みなさんの中にも躓いている(もしくは、なんとなく見逃しているが実は躓いている)方がいるのではなかろうかと思います。

さて、本題ですが総合問題は、基本決算整理前残高試算表が与えられ、決算整理後残高試算表を作る、という問題ですね。ここで大切になるのは、決算整理前残高試算表と、決算整理後残高試算表の意味合いです。

簡単にいうと、決算整理前残高試算表は、前期繰越貸借対照表に、期中の仕訳を加えたものですね。
決算整理後残高試算表は、決算整理前残高試算表に、決算整理仕訳を加えたものですね。

では、何が変わるのでしょう。

例えば、「仕入」勘定。
これは、決算整理前残高試算表では「当期商品仕入高」を示しますが、決算整理後残高試算表においては「売上原価」を意味しますね。この「仕入」勘定の意味合いを理解できていないと、原価率の分析なども行えません。※三分法を前提にお話をしています。

また、「繰越利益剰余金」勘定。
これは、決算整理前残高試算表では前期繰越の繰越利益剰余金ですが、決算整理後残高試算表では決算整理前残高試算表の繰越利益剰余金に当期純利益を加えたものを意味します。
つまり、総合問題で決算整理後残高試算表の繰越利益剰余金を解答するのは相当難易度が高いですが、決算整理前残高試算表の繰越利益剰余金勘定を解答するのは難しくありません。※配当等がない場合を前提にお話をしています。

このように、総合問題においては、文章に表れていなくても、読み取れる情報があります。
その情報を正確に読み取るためには、決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表の違いなどを含めて、理解していく必要があります。

そのためには、日々の学習を大切にしてください。間違えた問題があれば、なぜ間違えたかを確認してください。その答えが、みなさんの簿記に対する理解を高め、その結果、合格に導いてくれるはずです。

頑張ってくださいね!

簿記検定講座<商業簿記/会計学担当>講師 福井 一弘

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